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ことこと@チェンマイ! タイ移住ドキュメント&北タイ通信♪

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わが人生のアルバム~9

本ブログは「タイ」をテーマにしておりますが、ここではタイとカンケーなく、Tui☆が人生で聴いたアルバムから「5枚」を厳選して紹介してきました。・・・が、さらに紹介したい盤がまだありそうなので、気が向いたら追加で綴ってまいります。

WHITESNAKE / Slide It In (1984)

このアルバムには、1984年1月にリリースされたバージョンと、その後メンバーチェンジを経てアメリカ市場向けにリミックスされたものの2通りの録音が存在する。US版のギタリストは、それまでのバンドのカラーをある意味象徴していた地味~なオッサン「ミッキー・ムーディ」から貴公子ルックスでスター性のある「ジョン・サイクス」になっている。サイクスのプレイはリミックスという制約もあってか次作「Whitesnake(1987)」で魅せた重厚で緊迫感あるプレイのレベルからは程遠く、中途半端な印象を受ける。そのため、+αの要素よりも、旧版の緊張感や迫力を損なう結果となってしまっている。

したがって、2つの録音のうち圧倒的にお薦めしたいのが、オリジナルのUK版(日本版)である。一部楽曲では音の厚みを増したことによってUS版の方が優れているものもあるが、本作のハイライト曲といえる「Gambler」「Slow An' Easy」における両盤の差異は決定的。「Slow An' Easy」はその後もライブでの定番曲となっているが、残念ながらUS版のアレンジをベースとした演奏となっているのが残念。UK版オリジナルの方が絶対よいのに!!

そもそも本作リリース時の最大のトピックは、「コージー・パウエル」加入だった。それまで比較的地味なブルーズを基調とした作品がベースであったデヴィッド・カヴァデールと、当時ドラマーとして最大の人気を誇ったコージーが融合するとどんなマジックが起こるのか!?本作UK版はそのファンの期待にほぼ満足する形で提示されたものであった。コージーはレインボーやMSG時代に見せたド派手なプレイは皆無となったが、それがなくても十分以上に存在感を感じさせる録音である。聴けばわかると思うが、UK盤のプロデュースは、明らかにコージーのカッコよさを前面に出したものといえる。

デヴィッドのボーカルは、次作以降ハートーンのシャウトを基調にしたメタリックなものに変貌してしまうが、昔からのファンは初期から本作UK版までの中低域をセクシーに聴かせる声の方を圧倒的に支持していることが多い。本作では「デヴィッドのボーカル」vs「コージーの重厚ドラミング」の対決というトーンで全体的にピーンと張りつめた緊迫感が漲っている。

現在ネット等で購入しようとすると、US版の方が入手しやすいように見えるが、ここは絶対UK版をプッシュしておきたい!UK版が「95点」とすると、US版は「73点ぐらい」・・・。それぐらいの差がある。


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